金子眼鏡の修理ガイド|愛用メガネを長く使い続けるためのメンテナンス術

金子眼鏡の修理ガイド|愛用メガネを長く使い続けるためのメンテナンス術
金子眼鏡の修理ガイド|愛用メガネを長く使い続けるためのメンテナンス術
レンズ・修理・お手入れ

日本が世界に誇るメガネの聖地、福井県鯖江市。その地で熟練の職人が手掛ける金子眼鏡は、一生ものとして愛用できる品質が魅力です。しかし、毎日使っていれば、フレームが白く曇ったり、ネジが緩んだり、時には予期せぬ破損が起きたりすることもあります。お気に入りの一本だからこそ、壊れてしまったときに「もう直せないのでは」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

金子眼鏡の修理は、単なる「直し」ではありません。職人の技術によって、新品のような輝きを取り戻すことができるのが大きな特徴です。この記事では、金子眼鏡の修理を検討している方に向けて、依頼方法や料金の目安、修理にかかる期間などを詳しく解説します。大切なメガネを末永く愛用するための参考にしてください。

金子眼鏡の修理サービスで対応可能な内容

金子眼鏡では、自社工場「BACKSTAGE」を擁しているため、高度な修理対応が可能です。一般的な眼鏡店では断られてしまうような深刻なダメージでも、職人の手によって美しく蘇ることがあります。まずは、どのような修理が可能なのか、具体的なメニューを見ていきましょう。

セルフレームの磨き直し(バフ研磨)

金子眼鏡の代名詞とも言えるセルロイドやアセテート素材のフレームは、長年愛用していると、汗や整髪料、紫外線などの影響で表面が白く変色することがあります。これは素材の酸化によるもので、セルフケアではなかなか落とせません。金子眼鏡の修理サービスでは、この「白込み」を丁寧に削り取り、再び光沢を出す「バフ研磨(磨き直し)」を受けることができます。

職人が専用の研磨機を用いて、手作業で少しずつ表面を整えていく工程は、まさに新品を製造する時と同じ手間がかけられます。深い傷がある場合も、その部分を滑らかに整えることで、手触りの良さが復活します。長年使い込んでマットな質感になってしまったフレームが、見違えるような艶を取り戻す瞬間は、金子眼鏡のオーナーにとって最大の喜びと言えるでしょう。

磨き直しを依頼する際は、フレーム全体の歪み直しもセットで行われることが一般的です。素材に柔軟性を持たせながら形状を整えるため、掛け心地も改善されます。ただし、素材が極端に劣化して脆くなっている場合は、削ることで強度が落ちる可能性があるため、事前の診断が重要になります。まずは店舗で職人のチェックを受けるのが安心です。

鼻パッドの交換・クリングス調整

メガネの掛け心地を左右する重要なパーツが鼻パッドです。金子眼鏡では、肌当たりの良いシリコン製や、高級感のあるメタル製、ヴィンテージ感漂う樹脂製など、モデルに合わせたパッドが採用されています。この鼻パッドは肌に直接触れるため、皮脂による変色や劣化が避けられません。修理の一環として、これらを新しい純正パーツに交換することが可能です。

また、鼻パッドを支える金属の腕部分(クリングス)が曲がってしまったり、折れてしまったりした場合も修理が可能です。クリングスが曲がると、メガネが鼻の横に当たって痛くなったり、まつ毛がレンズに触れたりしてしまいます。専門の工具を使ってミリ単位で調整することで、再び自分にぴったりのフィッティングを取り戻すことができます。折れた場合でも、溶接修理によって強固に接合可能です。

鼻パッドの高さが合わないと感じる場合は、パッドを高いタイプに変更したり、もともとパッドが固定されているタイプ(コート鼻)をクリングスタイプに変更したりするカスタマイズに近い修理も相談できます。これにより、デザインは気に入っているけれど鼻が低くてずり落ちる、といった悩みも解消できるのが金子眼鏡の修理の深みです。

フレームの破損や折れの溶接・パーツ交換

「うっかり踏んでしまった」「落としてヒンジが折れた」といった大きな破損でも、諦める必要はありません。メタルフレームの場合、折れた部分を電気やレーザーで接合する「ロー付け(溶接)」という修理が行われます。単に接着するのではなく、強度を保ちながら見た目も美しく仕上げるには非常に高い技術が必要です。修理後は再メッキを施すことで、継ぎ目をほとんど目立たなくさせることができます。

プラスチックフレーム(セルロイド等)が真っ二つに折れた場合でも、折れた断面を専用の溶剤で溶かして接着し、さらに芯金を入れて補強する「共付け」という高度な技法が使われることがあります。この修理は非常に手間がかかりますが、思い入れのあるフレームを救うための最終手段として有効です。ただし、強度の観点からパーツごとの交換を推奨される場合もあります。

パーツ交換については、モデルの製造時期や在庫状況にもよりますが、フロント(前枠)やテンプル(つる)を丸ごと新しいものに交換することも可能です。廃盤モデルであっても、パーツが残っていれば対応してもらえます。万が一パーツがない場合でも、代替パーツの提案や、現存するパーツを加工しての修理など、あらゆる可能性を模索してくれるのがプロの仕事です。

ネジの緩みや丁番(ヒンジ)のパーツ交換

毎日メガネを掛け外ししていると、どうしてもネジは緩んできます。そのまま使い続けるとネジ山が潰れたり、ネジが脱落して紛失したりすることもあります。金子眼鏡の店舗では、基本的なネジの締め直しや微調整は、その場ですぐに対応してもらえることが多いです。また、緩みにくい特殊なネジへの交換や、パッキンの挿入といったメンテナンスも依頼できます。

テンプルとフロントを繋ぐ「丁番(ちょうばん)」部分は、メガネの中で最も負荷がかかる場所です。長年の使用で摩耗し、テンプルがガタつくようになった場合は、丁番自体の交換が必要になることがあります。金子眼鏡では、モデルごとに特注の丁番を使用しているケースが多いため、市販のパーツではなく純正パーツでの修理が不可欠です。これにより、独自の開閉感や堅牢性が維持されます。

さらに、丁番が埋め込まれているプラスチック部分が割れてしまった場合でも、周囲を補強しながら埋め直す修理が可能です。ネジ一本、パーツ一つに至るまでこだわり抜かれた金子眼鏡だからこそ、細かな部品のメンテナンスを適切に行うことで、全体の寿命を劇的に延ばすことができます。不具合を感じたら、早めに相談することが重症化を防ぐコツです。

金子眼鏡を修理に出す際の料金目安と納期

いざ修理を依頼しようと思った時、気になるのが「いくらかかるのか」「どれくらいの期間預けることになるのか」という点です。金子眼鏡の修理費用は、作業の難易度や必要なパーツによって細かく設定されています。ここでは、一般的な修理費用の目安と、手元に戻ってくるまでのスケジュールについて解説します。

基本的なメンテナンス費用の一覧

金子眼鏡の修理料金は、内容によって数千円から数万円まで幅があります。店舗で即日対応可能な軽微な調整であれば無料、もしくは安価な工賃で済むことが多いですが、鯖江の工場へ送る本格的な修理はそれなりの費用が発生します。以下に、一般的な修理内容と料金の目安をまとめました。

【修理料金の目安表】

修理項目 料金目安(税込)
ネジの締め直し・調整 無料〜1,100円程度
鼻パッド交換(パーツ代) 550円〜1,650円程度
フレーム磨き直し(全体) 3,300円〜5,500円程度
ロー付け(溶接)1箇所 4,400円〜7,700円程度
再メッキ・再塗装 5,500円〜8,800円程度

なお、上記の金額はあくまで目安であり、モデルや状態によって変動します。また、複数の修理を組み合わせる場合(例:溶接+再塗装)は、それぞれの費用が加算されます。見積もりは店頭で預ける際に出してもらえるほか、工場到着後に詳細な金額が確定することもあります。予算がある場合は、事前に伝えておくとスムーズです。

本格的なパーツ交換や特殊修理の料金

テンプル(つる)やフロント(前枠)そのものを交換する場合、費用はパーツ代として計算されます。金子眼鏡の高品質な素材を使用しているため、片側のテンプル交換だけで10,000円〜15,000円程度かかることも珍しくありません。希少な素材を使用しているモデルや、複雑な構造のモデルほど、パーツ代は高額になる傾向があります。

また、プラスチックフレームの「鼻盛り」のやり直しや、クリングスの取り付け加工なども、特殊修理に分類されます。これらの加工費用は5,000円〜10,000円程度が相場です。フレームが折れてしまった場合の「共付け」などは、職人の拘束時間が長いため、通常の修理よりも高めの設定になることが多いです。愛着のある一本を救うための「技術料」と考えると納得できる価格設定と言えるでしょう。

さらに、レンズも新調する場合は、別途レンズ代がかかります。修理と同時にレンズを交換すると、フレームの歪みや度数のチェックも一貫して行えるため、トータルの仕上がりが良くなります。古いレンズをそのまま使う場合は、修理の工程でレンズを外す際に破損するリスクを了承する必要があるため、状態によってはレンズの同時交換を勧められることもあります。

修理完了までにかかる期間の目安

金子眼鏡の修理期間は、その丁寧な作業工程ゆえに、ある程度の時間を要します。店頭で完結する調整であれば数分〜30分程度ですが、鯖江の工場(BACKSTAGE)に送る場合は、輸送期間を含めて通常2週間から1ヶ月程度が目安です。ただし、繁忙期や特殊なパーツの取り寄せが必要な場合は、1.5ヶ月〜2ヶ月ほどかかることもあります。

特に「磨き直し」や「再メッキ」は、下地作りから仕上げまで幾多の工程を重ねるため、時間がかかります。職人は一本一本のフレームの状態を見極め、最適なタイミングで磨きをかけるため、機械的なスピード重視の修理とは一線を画します。時間がかかるのは、それだけ品質に妥協していない証拠でもあります。

修理を依頼する際は、代わりのメガネを用意しておくことを強くおすすめします。普段使いのメガネが一枚しかない場合は、修理期間中に生活に支障が出てしまいます。もしお急ぎの場合は、店頭で「最低限使える状態」までの応急処置が可能かどうか相談してみてください。ただし、最終的には工場での精密な修理を受けることが、長く使うためには不可欠です。

修理の依頼方法と受付窓口の選び方

金子眼鏡の修理をどこに頼めばいいのか迷う方も多いでしょう。基本的には購入した店舗に持ち込むのがベストですが、引っ越しや外出先でのトラブルなどで購入店に行けない場合もあります。ここでは、修理を受け付けてくれる窓口の種類とその特徴を整理しました。

全国の直営店への持ち込み方法

最も確実で安心なのは、全国にある金子眼鏡の直営店(「金子眼鏡店」「KANEKO OPTICAL」など)に持ち込むことです。直営店のスタッフは自社製品の構造を熟知しており、適切な診断を行ってくれます。保証書があれば持参するのが望ましいですが、なくても金子眼鏡の製品であれば快く対応してもらえます。

店頭ではまずスタッフが状態を確認し、その場で直せるものか、工場送りが必要なものかを判断します。工場送りになる場合は、その場で見積もり(概算)と納期を提示され、修理依頼書を作成します。預けた後は、修理が完了次第、電話やメールで連絡が入る仕組みです。受け取りの際は再度フィッティングを行ってくれるため、修理後の掛け心地も万全な状態で帰ることができます。

直営店に持ち込むメリットは、職人との太いパイプがあるため、イレギュラーな要望も伝わりやすい点です。また、修理中の代替フレームの貸し出しを行っている店舗もある(要確認)ため、まずは最寄りの直営店を検索してみることから始めましょう。主要都市の百貨店やショッピングモールに多く出店されているため、アクセスも非常に便利です。

購入店舗以外での修理受付について

金子眼鏡は、直営店以外にも多くのセレクトショップや眼鏡店で取り扱われています。他店で購入した金子眼鏡のフレームであっても、金子眼鏡の直営店で修理を受け付けてもらうことは可能です。この場合も、純正パーツを使用した正規の修理が受けられるので安心してください。ただし、ブランド側の判断により、極端に古いモデルや一部の限定品などは対応が異なる場合があります。

逆に、金子眼鏡で購入したものを、近所の一般的な眼鏡店に持ち込むのは少し注意が必要です。一般的な眼鏡店でも基本的な調整やネジ締めは可能ですが、磨き直しや特殊な溶接、パーツ交換などは、そのお店が金子眼鏡と取引がない場合、断られるか、汎用パーツでの修理になってしまいます。金子眼鏡特有の素材感やデザインを損なわないためには、やはり正規のルートを通すのが賢明です。

もし、どうしても直営店に行けない場合は、購入したセレクトショップに相談するのも一つの手です。そのお店が金子眼鏡の正規取り扱い店であれば、メーカー修理の仲介を行ってくれます。仲介手数料が発生する場合もありますが、慣れ親しんだショップ店員さんに相談できる安心感があります。いずれにせよ、「金子眼鏡の製品であること」を伝え、メーカー修理を希望する旨をはっきり伝えましょう。

郵送による修理サービスの利用手順

近くに直営店や取り扱い店がない場合、郵送による修理受付が可能な場合もあります。金子眼鏡の公式サイトや、一部の大型店舗では、遠方の顧客向けに配送での修理相談に乗ってくれることがあります。まずは電話やお問い合わせフォームから、修理したい箇所の写真とともに詳細を伝え、配送の可否を確認しましょう。

郵送修理の流れとしては、まず元払いでメガネを店舗や工場に送付します。その後、現物を確認したスタッフから連絡があり、正式な見積もりと納期が提示されます。内容に同意すれば修理が開始され、完了後に代金引換や銀行振込で支払いを行い、返送してもらう形になります。この際、輸送中にさらに破損しないよう、ハードケースに入れて厳重に梱包することが重要です。

郵送修理のデメリットは、対面での「フィッティング」ができないことです。修理されたフレームが手元に戻ってきた際、微妙な掛け心地のズレを感じる可能性があります。そのため、郵送修理を利用した場合でも、後に時間ができた際に店舗へ立ち寄り、最終的な調整をしてもらうのが理想的です。特に顔の形に合わせたテンプルの曲げ具合などは、実際にかけてみないと微調整が難しいためです。

金子眼鏡の修理をプロに任せるべき理由

「たかが修理」と思われがちですが、金子眼鏡のような職人系のフレームは、その構造や素材に独自のノウハウが詰まっています。安易な自己流の修理や、技術力の低い店舗での修理は、かえって寿命を縮めることになりかねません。ここでは、なぜ金子眼鏡の修理をプロの職人に任せるべきなのか、その理由を深掘りします。

職人の手による繊細な仕上げの魅力

金子眼鏡の修理が支持される最大の理由は、その「圧倒的な美しさ」にあります。例えばセルの磨き直しにおいて、ただ光らせるだけであれば機械でも可能ですが、職人はフレームのエッジ(角)を立たせつつ、手になじむ滑らかさを両立させます。この絶妙な力加減は、長年培われた感覚があってこそ成し遂げられる技です。

修理後のフレームを手に取ると、まるで命が吹き込まれたような瑞々しさを感じることがあります。これは、表面を均一に磨き上げるだけでなく、素材の内側から光を放つように仕上げる「魂の研磨」が行われているからです。職人は修理箇所だけを見るのではなく、フレーム全体のバランスを考えながら作業を進めます。これにより、部分的な修理であっても違和感のない、完璧な仕上がりが実現するのです。

また、修理工程で使われる道具も、鯖江の伝統的なものが多用されています。現代の最新設備と、古くから伝わる道具を使い分けることで、金子眼鏡らしい「クラシックでありながら高品質」な質感が生み出されます。プロに任せるということは、単に壊れた箇所を繋ぐだけでなく、そのメガネが持つ芸術的な価値を守ることでもあるのです。

素材の特性に合わせた最適な処置

金子眼鏡で使用される素材は多岐にわたります。定番のセルロイド、加工のしやすいアセテート、軽量なチタン、希少なべっ甲や木製素材など、それぞれに物理的な特性が異なります。特にセルロイドは発火性が高く、熱の加え方を間違えると非常に危険ですが、プロの職人はその特性を熟知しており、安全かつ効果的に加工を行います。

例えば、アセテート素材の縮みやすさや、チタンの溶接の難しさは、経験の浅い技術者では対応しきれません。素材ごとに最適な温度設定や研磨剤の選定が行われることで、素材の劣化を最小限に抑えつつ、最大限の効果を引き出します。間違った溶剤や接着剤を使ってしまうと、取り返しのつかないダメージを与えることがありますが、プロに任せればそのような心配はありません。

さらに、経年変化による素材の「枯れ」具合も見極めます。古くなったセルロイドは乾燥して割れやすくなっていますが、職人はその状態に合わせて圧力を調整し、慎重に作業を進めます。素材の状態に耳を傾けるようにして行われる処置は、まさに「メガネの主治医」とも呼べる丁寧さです。素材を知り尽くしているからこそ、数年後、数十年後を見据えた修理が可能になります。

アフターケアが充実している安心感

正規の修理を受ける大きなメリットは、その後のアフターケアが保証される点です。金子眼鏡の工場で修理された箇所については、万が一すぐに不具合が再発した場合でも、しっかりと再対応してくれる体制が整っています。これは自社の技術に対する自信の表れでもあり、ユーザーにとっては大きな安心材料となります。

また、修理の記録が残ることも重要です。いつ、どのような修理を行ったかの履歴があれば、将来また別のトラブルが起きた際にも、的確な診断を受けることができます。「以前ここで溶接をしたから、今回はパーツ交換にしましょう」といった、長期的な視点でのメンテナンスプランが立てやすくなります。これは、一つのブランドを長く使い続ける醍醐味でもあります。

さらに、修理を通じてスタッフや職人とのコミュニケーションが生まれることで、自分のメガネに対する愛着がさらに深まります。修理の過程で「このモデルはこういう使い方が合っていますよ」といったアドバイスをもらえることもあり、正しい知識を得るきっかけにもなります。信頼できるプロに預けることで、メガネをかける毎日がより心地よいものになるはずです。

偽物や模倣品への対応に関する注意点

非常に残念なことですが、市場には金子眼鏡の模倣品(偽物)が出回っていることがあります。正規の修理窓口に持ち込んだ際、プロの目はすぐに見抜きます。当然ながら、偽物や模倣品の修理を金子眼鏡が受け付けることはありません。これはブランドの信頼性を守るための厳格なルールです。

「フリマアプリで安く手に入れたけれど、修理を断られた」というトラブルも散見されます。金子眼鏡の製品は、その細部の作り込みや刻印の美しさに本物の証が宿っています。修理を依頼することは、ある意味で自分の愛用している一本が「本物」であることを再認識する機会でもあります。正規店での購入、そして正規店での修理というサイクルを守ることが、ブランドを支え、長く愛用する唯一の道です。

金子眼鏡の製品には、テンプルの内側にブランドロゴやモデル名が刻印されています。修理に出す前に、これらの刻印が摩耗して消えていないか確認しておくとスムーズです。消えかけている場合でも、製品の特徴からモデルを特定してくれることがほとんどですので、まずは相談してみましょう。

愛用メガネを長持ちさせる日常のお手入れ

修理ができるとはいっても、大きな破損は避けたいものです。また、日頃から丁寧にお手入れをしておくことで、修理の回数を減らし、美しい状態を長く保つことができます。金子眼鏡を愛するなら知っておきたい、日常のメンテナンスのポイントをまとめました。

正しいクリーニング方法と保管のコツ

毎日のケアで最も重要なのは、レンズとフレームに付着した汗や皮脂を放置しないことです。皮脂を放置すると、前述した「白込み」の原因になります。一日の終わりには、メガネ専用のクリーナーか、中性洗剤を薄めた液で優しく洗いましょう。お湯はレンズのコーティングやフレームの変質を招くため、必ず水を使用してください。

洗った後はティッシュや柔らかい布で水分を完全に取り、仕上げにメガネ拭きで磨きます。水分が残っていると、金属部分のサビや緑青(ろくしょう)の原因になります。また、メガネ拭き自体が汚れていると、汚れを広げるだけでなくレンズに傷をつける原因になるため、メガネ拭きも定期的に洗濯して清潔に保ちましょう。

保管する際は、必ずハードケースに入れる習慣をつけましょう。机の上にそのまま置いたり、胸元にかけたりするのは、落下や衝撃による破損のリスクを高めます。また、メガネは熱に弱いため、夏場の車内やサウナなどに放置するのは厳禁です。フレームが歪んだり、レンズの表面が剥離(クラック)したりする原因になります。適切な温度と湿度で保管することが、長持ちの秘訣です。

定期的なフィッティングの重要性

メガネは使っているうちに、少しずつ広がったり歪んだりしてきます。そのまま使い続けると、特定の箇所に無理な負荷がかかり、破損しやすくなります。また、焦点がずれることで眼精疲労の原因にもなります。これを防ぐために、3ヶ月から半年に一度は、金子眼鏡の店舗でフィッティング(掛け心地調整)を受けることをおすすめします。

プロのスタッフは、左右のバランスや鼻の高さ、テンプルの抱え込み具合などを細かくチェックしてくれます。自分では気づかないような微細な歪みも、専用の工具で修正してもらうことで、かけた瞬間の「しっくり感」が復活します。この定期的な調整こそが、フレームの寿命を延ばす最も効果的な予防策です。

調整のついでに、ネジの緩みやパッキンの劣化などもチェックしてもらえるため、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。ほとんどの直営店では、簡単な調整は無料で行ってくれるサービス精神あふれる対応が期待できます。買い物のついでに気軽に立ち寄り、プロの診断を受ける習慣をつけましょう。

経年変化を楽しむための意識

金子眼鏡の、特にセルロイド製のフレームは、使い込むほどに深い味わいが出てきます。これは「劣化」ではなく、持ち主と共に過ごした時間の証である「経年変化」です。小さな擦り傷や、少し落ち着いた光沢も、一つの風合いとして楽しむ余裕を持つことが、良いメガネとの付き合い方です。

もちろん、機能に支障が出るほどの歪みや破損は修理すべきですが、あまりにも神経質に「新品同様」を求めすぎる必要はありません。職人による修理も、あえて「使い込まれた良さ」を残しながら行うことも可能です。例えば、全体の艶は出すけれど、長年愛用して自分の顔の形に馴染んだテンプルのカーブは極力変えない、といったオーダーも粋なものです。

メガネは単なる視力補正器具ではなく、顔の一部となる重要なアイテムです。金子眼鏡のような上質なフレームは、丁寧に手を加えれば10年、20年と寄り添ってくれます。修理を「面倒なこと」と捉えず、大切な相棒をリフレッシュさせる「贅沢な時間」と考えてみてはいかがでしょうか。

金子眼鏡の修理でよくある質問と解決策

最後に、金子眼鏡の修理に関してよく寄せられる疑問にお答えします。修理を依頼する前の不安を解消し、スムーズな相談ができるようにしておきましょう。

他社製パーツでの修理は可能なのか

結論から言うと、金子眼鏡の直営店では原則として他社製の汎用パーツを使用した修理は行いません。これは、ブランドの品質基準を満たせない可能性があるためです。例えば、金子眼鏡のオリジナルの丁番が壊れた際、市販の丁番を無理に取り付けると、フレームのデザインを損なうだけでなく、全体の強度が著しく低下してしまいます。

修理には必ず金子眼鏡の純正パーツ、もしくは職人がそのモデルのために特別に製作・加工したパーツが使用されます。これにより、修理後もブランド本来の価値が損なわれることがありません。他店で安易に他社パーツを付けられてしまうと、その後の正規修理を断られる原因にもなるため、注意が必要です。長く使い続けたいのであれば、常に純正のルートを選択することが、結果として最も安上がりで安心な方法です。

保証期間を過ぎた場合の対応

金子眼鏡の製品には、通常購入から1年間の保証期間が設けられています(内容により異なります)。しかし、保証期間を過ぎてしまったからといって、修理が受けられなくなるわけではありません。むしろ、金子眼鏡の真価は、保証期間を過ぎた数年後、数十年後の対応にあります。たとえ10年前に購入したモデルであっても、可能な限り修理の道を探ってくれます。

有償修理にはなりますが、その料金体系は非常に良心的です。新しいメガネを買い直すよりもずっと安く、お気に入りの一本を復活させることができます。「古いものだから恥ずかしい」「保証書を失くしてしまった」と遠慮する必要はありません。職人魂を持つ金子眼鏡だからこそ、古いモデルを大切に使っているユーザーを歓迎し、誠心誠意対応してくれるはずです。

レンズ交換と同時に修理を頼む場合

レンズが傷ついたり、視力が変わったりしたタイミングで、フレームの修理を同時に依頼するのは非常におすすめです。修理のために工場へ送る際、レンズも外して作業を行うため、このタイミングで新しいレンズを入れれば工賃や手間の無駄が省けます。また、フレームを磨き直してピカピカにした後に新しいレンズを入れると、まるで新品を購入したかのような感動を味わえます。

レンズ交換の際は、最新のレンズテクノロジーの中から自分のライフスタイルに合ったものを選び直すこともできます。フレームは伝統的なクラシック、レンズは最新のブルーライトカットや遠近両用、といった組み合わせができるのも金子眼鏡の楽しさです。修理の相談をする際に「レンズも一緒に変えたい」と伝えれば、視力測定も含めたトータルな提案を受けることができます。

金子眼鏡の修理で大切なメガネを美しく蘇らせよう

まとめ
まとめ

金子眼鏡の修理は、鯖江の職人の技術が結集した「再生の儀式」とも言える丁寧なプロセスです。表面の汚れを落とす磨き直しから、折れたパーツを繋ぐ高度な溶接まで、あらゆるダメージに対して真摯に向き合ってくれます。適切なメンテナンスを行えば、金子眼鏡は一生の相棒として、あなたの個性を支え続けてくれるでしょう。

もし今、手元にある金子眼鏡に不具合を感じているなら、迷わず最寄りの店舗へ足を運んでみてください。たとえ大きな傷や破損であっても、職人の手にかかれば驚くほど美しく蘇る可能性があります。費用や納期を心配しすぎず、まずはプロに相談することが、大切なメガネを救う第一歩です。職人の手仕事によって再び輝きを取り戻したメガネをかけた時、きっと「金子眼鏡を選んでよかった」と再確認できるはずです。

高品質な素材と熟練の技で作られたメガネだからこそ、修理して使い続ける価値があります。日頃のお手入れとプロによる定期的なメンテナンスを組み合わせ、世界に一つだけの自分のメガネを大切に育てていきましょう。この記事が、あなたの金子眼鏡を末永く愛用するための助けになれば幸いです。

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